農園にホームページは必要?SNSとの違いと活用メリットを解説
SNSが広く普及し、農家さんの多くがInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどを通じて日々の発信をしています。
収穫や直売情報を写真や動画で伝えられるため、「SNSがあれば十分では?」と思う方も少なくありません。
確かに、すべての農園にホームページが必須というわけではありません。
直売所の常連さんだけで十分という場合や、短期的なイベント活動で完結する場合もあります。
一方で、私たちはこれまでに個人として、またチームとして、さまざまなホームページ制作をしてきました。
その中で感じたのは、販売や取引の幅を広げたり、将来の展開を見据えたりするうえで、SNSだけでは補えない役割がホームページにはあるということです。
この記事では、そうした経験を踏まえて「農園にとってホームページがどんな場になるのか」を整理し、SNSとの違いについても分かりやすく解説していきます。
農園にホームページは必要?
1. 信頼性を高める「公式の顔」になる
SNSは誰でも無料で始められる手軽さがありますが、その分「公式性」には限界があります。
一方で、独自ドメインを持ち、情報を整理したホームページは「きちんと農業をしている」という信頼感につながります。
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個人農家の場合:自己紹介や栽培方法、販売方法をまとめる場に
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農業法人の場合:会社概要や取引実績、問い合わせ窓口を示す場に
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直売や来訪を受け入れる場合:営業日やアクセス、取り扱い品目を案内する場に
こうして情報をそろえるだけで、消費者や取引先からの安心感は大きく変わります。
これまでの制作経験の中でも「ホームページがあるだけで信用度が増し、取引につながった」という声は多く聞かれました。
また、自治体や金融機関に提出する資料としてホームページが役立つこともあります。
たとえば、補助金や助成金の申請、融資を受ける際の信用材料として「公式サイトの有無」が判断基準の一つになる場合もあります。
2. 販売や取引につながる営業の武器になる
ホームページは単なる「情報置き場」ではなく、営業や販売にも直結する強力な武器になります。
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販売面
「この農園から買いたい」と思った人が、すぐに購入方法を探せるようになります。
オンラインショップや注文フォームを設置すれば、SNSを見て興味を持った人がそのまま購入につなげられます。 -
取引面
飲食店や企業が検索したときに、実績や栽培方針が整理されていれば、それ自体が営業資料に。
「安心して取引できる農園だ」と思ってもらえることが多いです。
ホームページを整備した農園ほど、販路拡大や新しい取引のきっかけを得やすい傾向があります。
3. 情報を整理してわかりやすく伝えられる
SNSは最新の投稿が優先されるため、必要な情報がすぐに見つからないことがあります。
一方で、ホームページなら訪れた人が迷わず探せるように、情報を体系的に整理できます。
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商品ラインナップや出荷カレンダー
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農園紹介や栽培のこだわり
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よくある質問(送料・保存方法など)
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お問い合わせフォーム
こうした情報を一か所にまとめておけば、初めて訪れる人でも「どんな農家なのか」「どうやって購入できるのか」をすぐ理解できます。
SNSの投稿が“流れる情報”だとすれば、ホームページは“蓄積して残る情報”。
整理された情報は、農園の信頼性を高めるだけでなく、購入や取引への導線をスムーズにします。
4. 検索エンジンから新しい顧客と出会える
SNSの発信はフォロワーに届きやすい一方で、新しいお客さんに見つけてもらうには限界があります。
ホームページを持つことで、検索エンジンを通じて「今まさに探している人」と出会えるチャンスが広がります。
たとえば、こんな検索をする人がいます。
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「○○町 いちご直売」
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「△△市 野菜セット 通販」
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「□□県 自然栽培」
こうした検索をしている人は、興味だけでなく「購入や依頼をしたい」という強いニーズを持っていることが多いです。
ホームページがなければ、そのタイミングで見つけてもらう機会を逃してしまいます。
SNSが“つながりを広げる場”だとすれば、ホームページは“新しい出会いをつくる場”。
両方を活かすことで、発信の力はさらに大きくなります。
5. 長期的に積み上がる資産になる
SNSは投稿を続けることでフォロワーが増え、育てることができますが、アルゴリズムや流行に左右されやすく、思うように届かないことも少なくありません。
一方で、ホームページは自分の資産として長期的に育てていけます。
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ブログ記事や出荷記録を積み重ねれば、検索からの流入が増えていく
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生産や販売の記録をアーカイブとして残せる
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時間が経つほど、発信の基盤として強くなっていく
SNSが「つながりを育てる場」だとすれば、ホームページは「情報を蓄積して育てる場」。
両方を組み合わせることで、短期の反応と長期の信頼をバランスよく育てることができます。
ホームページが不要な場合
すべての農園がすぐにホームページを用意しなければならないわけではありません。
状況によっては、SNSや既存の販路を活かすだけで十分な場合もあります。
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生産量が限られていて、既存のお客さんだけで対応しきれる場合
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直売や知人を中心にした販売で、これ以上販路を広げる予定がない場合
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まずは栽培や経営の基盤づくりを優先したい時期
ただし、将来的に販路を広げたい、取引先を増やしたいと考えるなら、ホームページが信頼性を高める大きな支えになります。
SNSとホームページの違い
SNSとホームページには、それぞれ得意な役割があります。
どちらが優れているということではなく、特性を理解して使い分けることが大切です。
| 項目 | SNS | ホームページ |
|---|---|---|
| 発信力 | 拡散力が高い | 自分から広めにくい |
| 信頼性 | 個人の発信に近い | 公式情報として安心感がある |
| 販売・取引効果 | 限定的 | 強い(商品・実績を整理できる) |
| 検索での発見 | 弱い | 強い(SEO効果がある) |
| 長期的な資産性 | 投稿が流れやすい | 蓄積して育てられる |
SNSはスピード感と拡散力があり、ホームページは信頼性と整理力が強み。
両方を組み合わせることで、農園の発信力は大きく広がります。
ホームページの費用と運営のリアル
ホームページを持つには、ある程度のコストと手間がかかります。
目安としては以下のようなものがあります。
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ドメイン代:年間1,500円前後〜(.jpや.co.jpは3,000〜5,000円程度)
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サーバー代:月1,000円前後(商用利用の場合)
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制作費:自作なら無料、外注なら10万〜50万円程度
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保守・更新費:外注する場合は月3,000〜10,000円程度
また「作って終わり」ではなく、更新やセキュリティ対策も必要です。
古い情報がそのまま放置されていると、逆に信頼を損ねることもあります。
ホームページは資産になる一方で、畑と同じように手入れが欠かせません。
長く続けるからこそ力を発揮する、という点を意識しておくことが大切です。
まとめ
ホームページが必要かどうかは、農園の状況によって変わります。
ただし次のような思いがあるなら、ホームページは強い味方になります。
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信頼感をしっかりと伝えたい
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検索から新しいお客さんと出会いたい
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情報を整理して分かりやすく届けたい
SNSとホームページは、どちらか一方で完結するものではありません。
SNSは日々の発信やつながりを育てる場、ホームページは公式性と情報を蓄積して育てる場。
両方を組み合わせることで、農園の取り組みや思いはより広く、より確かに届いていきます。
ノカノワのホームページ制作について
ノカノワでは、農家さんや農園、農業法人の魅力や思いをしっかりと伝えられるホームページづくりを大切にしています。
これまで農業に深く関わり、多くの現場に触れ、多くのホームページを制作してきた経験があるからこそ、それぞれの状況に寄り添ったご提案ができます。
「まずは相談だけ」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
