ノカノワ

農薬や化学肥料に頼らない農法を応援する理由と、慣行農法との向き合い方

ノカノワでは、農薬や化学肥料に頼らず、自然に寄り添って農業を続ける人と、その作物を選びたいと思う人が、安心してつながれる場を目指しています。
でも、それは「慣行農法(農薬や化学肥料を使う一般的な農業のやり方)」を否定したいということではありません。

私自身、農業法人で働いていたころから、さまざまな農家さんと出会ってきました。
友人や知り合いの中にも、慣行農法で真摯に農業と向き合っている方がたくさんいます。

「祖父の代から受け継いだ農法を、簡単に変えるわけにはいかない」
「農薬をやめたら、虫が出たときに周りの農家さんに迷惑がかかってしまう」
「農薬を使わない農法に関心はあっても、生活に余裕がなくて挑戦できない」
そんな声を、これまで何度も耳にしてきました。

実際、農薬や化学肥料を使わない農法は簡単ではありません。
天候や土の状態に大きく左右され、すぐに成果が出るわけでもありません。
やっと大きくなっても、形や大きさにばらつきがあったり、虫に食われたりして、市場の規格に合わない作物が多く実ることも多くあります。

だからこそ、ノカノワでは慣行農法を否定しません。
農家さん一人ひとりに、それぞれの事情や背景があり、その中で最善を尽くしていることを、私自身よく知っているからです。

それでも私が農薬や化学肥料を使わない農法を応援したいのは、その畑に立ち、自分の目で見て、手で触れて、味わって、心から感動したからです。

余計なものを使わずに、自然の力で育った野菜には、まっすぐな力強さがあります。
その畑には、小さな生態系が生きていて、そこから生まれる作物には、土地の味と季節の息吹が、そのまま宿っています。

ノカノワでは、そんな農法の魅力や背景を、できるだけ丁寧に、わかりやすく伝えていきたいと考えています。

そして、「食べてみたい」「応援したい」と思う方と、「届けたい」と思う農家さんが、安心してつながれる。
そんな場を育てていきたいのです。

選ぶ人が増えることで、それはつくる人の励みになり、また、「挑戦してみたい」と思う人にとって、新しい選択肢にもなるはずです。

この小さな輪が、少しずつ広がっていくことで、自然とともにある食や暮らしが、もっと身近で、もっとあたりまえになる社会へとつながっていく。
そんな未来に向けて、ノカノワはこれからも歩みを続けていきます。