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「砂糖=悪」は本当?精製糖と自然な甘味の違いを知る

甘いものは避けるべき?
健康志向やダイエットの影響で、「砂糖=悪」というイメージが広がっています。
しかし、ひとくちに「砂糖」といっても、原料や製法、体への影響はさまざま。
とくに精製された白砂糖と、自然に近い甘味料では、その性質に大きな違いがあります。

この記事では、代表的な甘味料の特徴や違い、そして賢いつきあい方についてご紹介します。

なぜ「砂糖=悪」と言われるのか

砂糖が健康に悪いとされる背景には、次のような懸念があります。

  • 血糖値を急激に上げる(GI値が高い)

  • 依存性がある

  • 過剰摂取で肥満・糖尿病・生活習慣病のリスクに

  • 加工食品に多用され、無意識に摂取量が増える

  • メンタルバランスを乱しやすく、うつ症状との関連も指摘されている

これらの多くは、主に白砂糖など精製された糖に当てはまるものです。

精製糖と自然な甘味のちがい

砂糖は大きく分けて、「精製糖」と「未精製の自然な甘味料」に分類されます。

精製糖(白砂糖・グラニュー糖など)は、製造過程でミネラルなどの栄養素がほとんど取り除かれています。
一方、きび糖・黒糖・はちみつ・メープルシロップなどは、製法が比較的シンプルで、原料由来の栄養が一部残っていることが特徴です。

ただし、「自然な甘味料」とされるものでも、市販されている製品には加工度や品質に差があるため、選ぶ際には表示などをしっかり確認することが大切です。

以下は、主な甘味料の種類と特徴、注意点をまとめた一覧です。

甘味料の種類と特徴(備考つき)

甘味料 原料 精製度 栄養価 特徴 備考
白砂糖 サトウキビ/ビート 高い ほぼゼロ クセがなく安価。GI値高め。 多くの加工食品に使用される。依存性に注意。
グラニュー糖 白砂糖(精製) 非常に高い ほぼゼロ 製菓向け。純度が高い。 精製度は白砂糖よりさらに高い。
三温糖 白砂糖(加熱再結晶) 中程度 少なめ コクがある。やや風味あり。 色や風味のわりに栄養価は低い。
きび糖 サトウキビ やや低い ややあり まろやかな甘さ。ミネラル含む。 「加工黒糖」と呼ばれる精製済み商品もあるため要注意。
黒糖(含蜜糖) サトウキビ ほぼ未精製 豊富 甘さに深み。ミネラルも多い。 「加工黒糖」は白砂糖に黒糖を加えたものなので別物。
はちみつ 花の蜜(ミツバチ) 加熱で栄養減 酵素・ビタミンあり 香り・栄養のバランスが良い。 「加糖はちみつ」や加熱処理品も多いため、純粋・非加熱品を選ぶのが理想。
メープルシロップ サトウカエデの樹液 低め カリウム・カルシウムあり 独特の香りとまろやかさ。 「パンケーキシロップ」などは模造品(香料+糖液)なので注意。100%ピュア品を。
甘酒 米麹(発酵) 非精製 ビタミン・アミノ酸あり 自然な甘み。無添加でも甘い。 酒粕タイプは砂糖を加えている場合あり。米麹甘酒と明記されているものを選ぶと安心。

※はちみつ・メープルシロップなどは「自然な甘味料」として紹介していますが、市販品には加工・加糖された製品も多く出回っています。「純粋」「100%ピュア」などの表示を確認することが大切です。

自然な甘味は、体にも心にもやさしい?

白砂糖は血糖値を急上昇させやすく、エネルギーの波や気分の浮き沈みを招きがち。
一方で、自然に近い甘味料には、次のようなメリットが考えられます。

  • 血糖値の上昇が緩やかで、エネルギーが安定しやすい

  • 微量ながらミネラルや酵素を含むものもある

  • 甘さにコクがあり、少量で満足しやすい

また、甘味の摂取とメンタルヘルスとの関係も注目されています。
精製糖を多く摂ると、血糖値の乱高下から不安感・集中力の低下・気分の落ち込みを招くケースもあり、うつ症状との関連が示唆される研究もあります。

その一方で、自然な甘味に切り替えた人からは「イライラしにくくなった」「甘味に敏感になって、少量で満足できるようになった」といった声も。

甘味は嗜好品ですが、「どんな甘さを選ぶか」が心身のコンディションに与える影響は、決して小さくありません。

甘味との上手なつきあい方

甘いもの=悪ではなく、大切なのは選び方と量。次のような工夫が役立ちます。

  • 黒糖・きび糖・はちみつなど、精製度の低い甘味料を選ぶ

  • 素材の味を活かした、甘さ控えめのレシピにする

  • 加工食品や清涼飲料に頼りすぎない

  • 「甘いもの=ご褒美」という思考を見直す

甘味を完全に避けるのではなく、質のよい甘さを少量楽しむほうが、無理なく続けやすく、結果的に心身の健康につながります。

まとめ

甘味はすべてが悪いわけではなく、その種類や摂り方によって、体と心への影響は変わってきます。

精製された砂糖をとり続けることで、血糖値の乱れや気分の不安定さを招くことがありますが、自然に近い甘味料を選ぶことで、ゆるやかで落ち着いたリズムを保ちやすくなります。

なんとなく不調を感じるときには、日々の甘さの質や食習慣に目を向けてみることが、ひとつの手がかりになるかもしれません。